この記事で比較する3社と前提
大学受験を検討し始めると、河合塾・駿台予備学校・東進ハイスクール/東進衛星予備校という名前は、ほぼ確実に目にすることになります。いずれも全国規模で展開する大手予備校ですが、「大手だから同じようなもの」と考えて選んでしまうと、実際に通い始めてから想定していた授業スタイルと違うと感じることがあります。この記事では、本サイトの大手予備校比較で整理した公式サイト由来の事実をもとに、3社を横並びにしたときに見えてくる違いを3点に絞って紹介します。各社への優劣の評価は行わず、あくまで公式サイトで確認できる事実の整理にとどめます。
| プレイヤー | 指導形態の中心 | 校舎展開の形態 | 合格実績の公表方針 |
|---|---|---|---|
| 河合塾 | 集団授業中心(大学受験科)。関連会社で映像授業(河合塾マナビス)・AI演習(河合塾One)も展開 | 学校法人河合塾グループとして全国501校(2025年12月1日時点) | 公式サイト参照 |
| 駿台予備学校 | 集団授業+オンライン講座(自宅受講可能な講座を用意) | 直営で全国34校舎 | 2026年度入試以降、合格者数の掲載方法を変更(体験談中心の発信へ) |
| 東進ハイスクール/東進衛星予備校 | 映像講座(実力講師陣の授業をオンデマンド配信)。運営:株式会社ナガセ | 直営の東進ハイスクールとフランチャイズ形式の東進衛星予備校を組み合わせて全国展開 | 大学別の合格者数を公式サイトで継続して公表 |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
違い1: 指導形態の中心が違う
まず目につくのは、授業の届け方そのものが3社で異なるという点です。河合塾は集団授業を軸とする大学受験科を中心に据えており、決まった時間割に沿って学習が進む、伝統的な予備校の形を保っています。同時に、映像授業を専門とする河合塾マナビスや、AIを活用した個別最適化演習を提供する河合塾Oneといった関連会社も展開しており、グループ全体としては複数の指導形態を持つ構造になっています。
駿台予備学校も集団授業が中心ですが、自宅から受講できるオンライン講座を並行して用意している点が特徴です。一方、東進ハイスクール/東進衛星予備校は、あらかじめ収録された講義をオンデマンドで視聴する映像講座を指導の中心に据えており、時間割よりも受講者自身のペース配分に重心を置いた設計になっています。「決まった時間に教室で授業を受けたいか、自分のペースで映像を視聴したいか」という向き不向きは、この違いから読み取ることができます。指導形態ごとの向き不向きは予備校・塾・独学の違いと向き不向きでも詳しく整理しています。
違い2: 校舎展開の形態が違う
校舎数の多さだけを見ると3社とも「大手」という括りになりますが、その展開の仕組みには違いがあります。河合塾は学校法人河合塾を中心としたグループとして、全国501校(2025年12月1日時点、河合塾グループ公式サイトによる)という規模で校舎を展開しています。駿台予備学校は学校法人駿河台学園が全国34校舎(東京7・大阪8・千葉3・愛知3・京都3・兵庫2ほか)を運営しており、河合塾グループと比べると拠点数は少なく、大都市圏の主要駅周辺に集約されている点が特徴です。
東進ハイスクール/東進衛星予備校は、株式会社ナガセが直営する東進ハイスクールに加えて、フランチャイズ形式で運営される東進衛星予備校を全国規模で組み合わせています。同じ「東進」というブランドの中でも、校舎によって運営主体が異なるという点は、他の2社との構造的な違いといえます。フランチャイズ形式は、地域ごとのオーナーが運営に関わる分、校舎ごとの運営スタイルに一定の幅が生まれやすいという性質もあります。
なお、河合塾は大学受験科を中心とする直営校に加えて、映像授業を専門とする河合塾マナビスや、AIを活用した個別最適化演習を提供する河合塾Oneといった関連会社も運営しています。全国501校という校舎数の中には、こうした関連会社の拠点も含まれているため、同じ「河合塾グループ」の校舎であっても、実際に受けられる指導形態は所在地によって異なる場合があります。校舎見学や資料請求の際は、どの形態の拠点かを事前に確認しておくと、想定していた授業スタイルとの齟齬を防ぎやすくなります。
違い3: 合格実績の公表方針が違う
3社の中で最も明確な違いが表れているのが、合格実績の公表方針です。東進ハイスクール/東進衛星予備校は、大学別の合格者数を公式サイトで継続して公表しています。これに対して駿台予備学校は、公式サイト上の告知によると2026年度入試以降、従来の大学別合格者数の掲載方法を見直し、合格者の体験談や「合格への道」といった事例的なコンテンツを中心とした発信へ軸足を移していることが確認できます。この変化の背景については駿台が合格者数の公表をやめた意味で詳しく取り上げています。
河合塾については、公式サイト上で校舎数などの基本情報は確認できるものの、合格実績の公表方針そのものの詳細は本記事執筆時点で公式サイト参照としています。このように、同じ「大手予備校」というくくりの中でも、実績の見せ方には各社で相応の差があります。合格者数という数字は、複数の予備校・塾を並行して利用した受験生の合格が重複してカウントされる「のべ数」である場合が一般的であるため、数字の有無や大小だけで指導力を判断するのではなく、どのような条件で公表されているかを確認する姿勢が欠かせません。この論点は合格実績の読み方でさらに詳しく解説しています。
3つの違いをどう検討に活かすか
ここまで見てきた指導形態・校舎展開の形態・合格実績の公表方針という3つの違いは、いずれも優劣を示すものではなく、それぞれの予備校が採用している仕組みの違いです。集団授業のペースメーカー機能を重視するのか、映像授業で自分のペースを優先するのか、直営校の一貫した運営を求めるのか、フランチャイズ校舎の地域密着性を評価するのか、合格実績の数字そのものを重視するのか、体験談から指導の雰囲気を読み取りたいのかは、受験生本人の学習スタイルや家庭の考え方によって変わってきます。
本サイトの大手予備校比較では、この記事で取り上げた3社を含む8社について、より詳しい事実項目を一覧で比較しています。気になる予備校が見つかった場合は、プレイヤー別プロフィールで運営法人や指導方針の詳細を確認したうえで、実際の校舎見学や資料請求に進むことをおすすめします。
