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駿台が合格者数の公表をやめた意味

夕方の予備校の教室に並ぶ誰もいない木製の机と椅子

駿台予備学校で何が変わったのか

駿台予備学校の公式サイトを確認すると、2025年8月1日付で「2026年度入試以降の合格者数の掲載について」という告知が掲載されています。詳細は別紙の資料に委ねられていますが、公式サイト全体の構成を見る限り、従来のように大学別・学部別の合格者数を一覧で示す掲載方法から、合格者本人の体験談や「合格への道」といった定性的・事例的なコンテンツを中心とした発信へ、軸足が移っていることが読み取れます。

本サイトの大手予備校比較でも整理しているとおり、駿台予備学校は2026年度入試から合格者数の掲載方法を変更したという事実が公式サイト上で確認できます。これは単なるページデザインの刷新ではなく、長年にわたって大学受験業界の「わかりやすい指標」として扱われてきた合格者数という数字そのものの示し方を見直す判断だと考えられます。

なお、駿台予備学校の公式サイト全体を確認すると、指導形態や校舎数といった基本情報は従来どおり掲載が続いています。全国34校舎(東京7・大阪8・千葉3・愛知3・京都3・兵庫2ほか)という校舎展開や、中3生から高卒生までを対象とする学年区分、冬期・直前講習といった季節講習の実施は、2026年度入試以降も公式サイトで確認できます。今回の見直しの対象は、あくまで大学別合格者数という実績指標の掲載方法に限られており、指導体制そのものが縮小したことを意味するものではありません。

なぜ合格者数の示し方を見直す予備校が出てきているのか

大学受験における「合格者数」は、同じ受験生が複数の大学・学部に合格した場合、それぞれの合格が別々にカウントされる「のべ数」であることが一般的です。つまり、ある予備校が公表する「○○大学 合格者数」の数字には、他の予備校や塾を並行して利用していた受験生の合格も、両方の実績として計上されている可能性があります。この重複計上の仕組みは、業界内では広く知られていますが、受験生や保護者が数字だけを見た場合には伝わりにくい情報です。

こうした数字の性質は、根拠のない誇大な実績表示を禁じる景品表示法の考え方とも関係が深いテーマです。景品表示法の基本的な考え方については、消費者庁の公式サイトで確認できます。学習塾・予備校業界では、実績表示のあり方そのものが継続的に議論されてきた経緯があり、各社が合格実績の示し方を見直す動きは、この文脈の延長線上にあると捉えることができます。駿台予備学校が体験談中心の発信へ舵を切ったことも、数字の一人歩きを避け、より実態に即した情報提供へ切り替える判断の一つと考えられます。

他社の公表方針との比較から見えること

本サイトの大手予備校比較で整理した8社の合格実績の公表方針を見比べると、各社の姿勢にはかなりの幅があることがわかります。東進ハイスクール・東進衛星予備校は、運営会社である株式会社ナガセの公式サイトで大学別の合格者数を継続して公表しています。一方でZ会は、集計期限(6月30日判明分など)と集計対象範囲(通信教育・教室本科生・提携塾講座など)を明記したうえで大学別合格者数を公表しており、単に数字を並べるのではなく、どのような条件で数えた数字かという前提を示す開示の仕方を取っています。

代々木ゼミナールについては、公式サイト上で「合格の声」といった体験記が中心となっており、大学別・大学群別の合格者数そのものは記載されていません。この点は、駿台予備学校が2026年度入試以降に進めている方向性と近いものがあります。つまり、業界全体を見渡すと「数字を大きく見せる」開示から「数字の意味や前提条件を示す、あるいは数字自体を前面に出さない」開示へと、複数の予備校が同時期にシフトしている様子がうかがえます。

四谷学院・武田塾・増田塾といった予備校の公式サイトを確認すると、合格実績そのものは公表しつつも、その見せ方には違いがあります。四谷学院は合格実績ページで「特待生ではない一般生の体験記であること」を明記しており、突出した合格者だけを取り上げているわけではない点を伝える工夫が見られます。武田塾は合格体験談とあわせて合格実績を公式サイトで公表する形を取っており、数字だけでなく個々の受験生の学習プロセスも紹介しています。増田塾は「最新の合格実績」という表現で公式サイトに掲載していますが、集計条件の詳細までは公式サイト参照とせざるを得ない部分もあります。このように、同じ「合格実績を公表している」予備校の間でも、数字の示し方や付随する説明の厚みには差があることがわかります。

受験生・保護者はこの変化をどう受け止めればよいか

合格者数という指標が見えにくくなることは、一見すると比較検討がしづらくなるようにも感じられます。しかし、のべ数や重複計上の仕組みを踏まえると、そもそも合格者数の絶対値だけで予備校の指導力を単純に比較すること自体に限界があったとも言えます。むしろ今回のような変化は、受験生や保護者が「数字の大きさ」以外の観点、たとえば授業形態・校舎展開・対象学年・自習室の有無といった、実際の学習環境に関わる事実項目に目を向ける機会になるとも考えられます。

予備校選びにおいて合格実績をどう読むかについては、合格実績の読み方で、のべ数と重複計上の仕組みや、各社の公表方針の違いをさらに詳しく解説しています。数字が示されている場合もいない場合も、その数字がどのような条件で集計されたものかを確認する姿勢を持つことが、業界大手が多いこの領域で予備校を検討するうえでの現実的な出発点になるはずです。

実際に予備校を比較検討する際は、合格者数という単一の指標に頼るのではなく、公式サイトに掲載されている集計期限や集計対象範囲の記載の有無、体験談の充実度、授業形態や自習室の有無といった複数の事実項目を横断的に確認することが現実的な進め方になります。本サイトの大手予備校比較では、こうした事実項目を8社分並べて整理しているため、資料請求や校舎見学に進む前の一次情報として活用いただけます。また、合格発表が相次ぐ1〜3月は、各社が公式サイトの実績関連ページを更新する時期でもあるため、検討する時期によって掲載内容が変わっている場合がある点にも留意してください。

本サイトは公開情報を整理した情報提供であり、各校の料金・カリキュラム・合格実績は変更されることがあります。合格を保証するものではありません。契約前に必ず各社の公式情報をご確認ください。